工藤由愛バースデーイベント2020@LANDMARK HALL 感想

9月28日に16歳の誕生日を迎えた工藤由愛さんのバースデーイベントが10月15日に開催されました。昨年 Juice=Juice に加入して以来、工藤由愛さん自身初のバースデーイベントです。内容も非常に濃密で工藤さんの魅力がたっぷり詰まった感動的なイベントでした。

 

 

セットリスト1部

  1. ミニモニ。ジャンケンぴょん! / ミニモニ。
  2. 書いては消しての “I Love You” / カントリー・ガールズ
  3. ボーイフレンド / 藤本美貴
  4. 初めてを経験中 / Juice=Juice
  5. Kiss me 愛してる℃-ute
  6. 赤いフリージア / メロン記念日
  7. Help me!! / モーニング娘。

セットリスト2部

  1. アツイ! / BEYOOOOONDS
  2. 書いては消しての “I Love You” / カントリー・ガールズ
  3. ボーイフレンド / 藤本美貴
  4. 21時までのシンデレラBerryz工房
  5. Kiss me 愛してる / ℃-ute
  6. 赤いフリージア / メロン記念日
  7. 「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの? / Juice=Juice

概要

私は1公演目に落選してしまったので、感想は基本的に2公演目に関してのものになります。それにしても回代わり含めて全10曲ですか。頑張りましたね。あと1公演目では、小田さくらさんからビデオメッセージがあったようです。小田さんは工藤さんの憧れの先輩ですからこれは嬉しかったでしょう。

 

さて、2公演目ですが「好きです」と書いたボードをだしたり、シンデレラを思わせるモップがけをしたりなど曲中の細かい演出や全来場者に自作の折り紙をプレゼントしたりなど、全編においてお客さんに楽しんでもらおうという心意気が感じられました。

司会が稲場愛香さん

バースデーイベントの司会と言えば、ほぼ上々軍団のどちらかが担当することが定着していますが、何と今回は稲場愛香さんが司会として登場しました。稲場さんは2017年9月に研修生北海道のリーダー的役割として復帰してから工藤さんとの関わりが始まっており、北研定期公演での共演や、2018年2月のハロプロ研修生北海道 feat.稲場愛香として『ハンコウキ!』と『 Ice day Party』のリリースなど、活動を共にして来ました。そして2018年6月、主な活動拠点を北海道から広げ Juice=Juice の一員として活動を始め、その稲場さんの後を追うように工藤さんが Juice=Juice への昇格を決め現在に至る、縁の深い関係です。

 

そんな縁深い稲場さんは工藤さんの魅力を最大限まで引き出してくれました。ジェスチャーゲームで工藤さんのジェスチャーを稲場さんが当てる一幕がありましたが、稲場さんは答えが分かっても一挙手一投足がいちいち可愛い工藤さんの魅力を引き出そうとわざと回答を長引かせたりなど流石の立ち回りでしたね。

 

後日、名古屋で行われるバースデーイベントでも稲場さんが司会を務めてくれるそうなので今から楽しみです。

 

歌唱部分

1曲目に『アツイ!』を持ってきたのは大正解です。「私のご想像出来ない一面かと思いまして」とのコメント通り、最後のシャウトが効いていましたし、持ち前の発声の良さもあり、観客そして自分自身を盛り上げるには十分過ぎるパフォーマンスでしたね。

 

コーナーを挟んでの2曲目以降では『書いては消しての “I Love You”』で「好きです」と書いたタコのパネルを出したたり、『21時までのシンデレラ』で実際にモップを使ってステージをモップがけしたりと自分のキャラを演出しながら可愛らしい曲をより魅力的に見せてくれました。

 

ラスト3曲の『Kiss me 愛してる』と『赤いフリージア』、『ひとそれ』はそれまでのキャラを封じて飾り気なしのガチンコパフォーマンス勝負でした。工藤さんは歌に力がありますから、面白いキャラ封じて純粋なスキル勝負に出ても十分に輝くことが出来る点が最大の魅力だと思います。スキルがあるからこそ面白いキャラが一層引き立つというもので、その逆もしかりです。

 

21時までのシンデレラ』などの可愛らしい曲がより嵌っているという人もいるでしょうし、私みたく純粋にスキルで勝負する姿が最も輝いているという人もいるでしょうが、ここは好みの問題ですね。それだけ表現の幅があるということです。もしかしたら、現在行われているハロコンでバラード曲をソロで歌っていることが活きているのかもしれません。

最後に

2019年の研修生実力診断テストで『ROCKエロティック』をバッチリ歌い上げて昇格を決めた工藤さんだけあって発声が素晴らしいです。また音も的確に出すことが出来ますからライブ感を演出する力もあり、16歳にして歌姫揃いのハロメンの中でも見劣りしない歌の実力を既に持っていると思いますが、課題を上げるとすればリズムが走りがちな点でしょうか。ライブで見聞きして少々気になったくらいですから、後で冷静になって映像を見返したら結構気になってしまうかもしれません。私が気が付くくらいですから工藤さん本人は勿論課題として認識しているはずです。まぁこの辺りは伸びしろということで今後の注目ポイントですね。

 

工藤さんの魅力はそんな上手い下手という尺度だけでは語れない観客の魂に響く歌を届けられる点です。こればっかりは現場で体感しなければ分かりません。最後の曲でもないのに観客から盛大な拍手を引き出せるのはそれだけ工藤さんの歌にパワーがあるからです。これに技術が身に付いて来ればハロプロを代表する歌姫となります。同じく将来の歌姫候補の松永さんと一緒に切磋琢磨して行って欲しいですね。

 

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Hello! Project 2020 ~The Ballad~ @札幌市民ホール 感想

夏のハロコンに引き続き、秋以降もメンバーがそれぞれソロでJ-POPを中心としたバラード曲のカバーを歌うこととなり、11月まではこの形式でコンサートを行うことが決まっています。今回は佐藤優樹さん・谷本安美さん・工藤由愛さん・山﨑夢羽さんの4名で行われた札幌公演の感想です。

 

今回のハロコンハロプロ全メンバーを3チームに分けて行われた夏のハロコンよりさらに細かくメンバーを振り分けての開催となっており、特に札幌公演は4名での開催ですので1人4曲のソロ歌唱を聴くことが出来、じっくりとそれぞれの歌を楽しむことが出来ました。

 

 

歌唱順

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佐藤優樹

歌唱後の拍手くらいでしか測ることが出来ませんが、佐藤さんの『僕は君に恋をする』が最も会場を盛り上げていたと思います。夏のハロコンでは『ひこうき雲』に全力でぶつかっていた印象が強くそれはそれで魅力的なパフォーマンスでしたが、今回は全体的に余裕を感じさせる歌で、サビの盛り上げどころでも安定して心地の良い声を響かせていました。今までの佐藤さんの歌のイメージとは違う歌い方で、新境地を開拓出来たのかもしれません。

谷本安美

谷本さんは自分の歌があまり好きではないと言っていますが、実際に谷本さんの歌を聴いてみると、時折織り交ぜられるウィスパーボイスが良い味を出していて十分に魅力的なパフォーマンスを見せてくれましたので、もう少し自分の歌を好きになっても良いかと思います。全力で1曲1曲に挑戦している姿も格好良かったです。今回のハロコンを通してハートが強くなったと言ってましたし、今後はつばき全体で歌うときに自分のソロパート直前で緊張してしまうこともなくなるのではないでしょうか。

工藤由愛

全力パフォーマンスが信条の工藤さんにとって今回のバラードソロ歌唱は大きな挑戦だったでしょう。印象的だったのは表情の変化で、意識的なものかどうかは分かりませんが可愛い笑顔だけでなく偶に据わったような目をして普段の真面目さの裏にある影を覗いてしまった感覚になってハッとさせられます。加えて、黒のアイメイクがさらに影の部分を際立たせていましたね。

 

とは言っても、1公演目と比較して2公演目は据わった目の表情が少なかったので単に緊張によるものだったのかもしれませんね。もし意識的にあの表情をやっていたとしたらこの先が末恐ろしいです。

 

続いて歌についてですが、工藤さんの歌は声量こそ豊かだがその声量をコントロール出来ていない、言ってみれば球は速いがコントロールが悪い投手のような印象でした。かつての北研定期公演で『世界一HAPPYな女の子』を歌ったときに音程がバラバラだったことを強く覚えています。それが去年5月の北研定期公演から声量を維持しながら音を的確に出せる確かな技術を見に付け、数日後の研修生実力診断テストで得票数2位となる会心のパフォーマンスを披露してくれました。

 

その後スキル集団Juiceで1年以上揉まれ、さらに一回り大きくなった今回は持ち前の声量を維持しながら余裕を持って的確に音をハメてバラードを歌いこなしていました。普段のタコキャラや全力パフォーマンスを封印しても魅力的な歌を聴かせてくれました。今月中旬のバースデーイベントが俄然楽しみになりましたね。

山﨑夢羽

この4名の中では1番後輩の山﨑さんですが、1番余裕を持って歌っていましたね。流石にBEYOOOOONDSをパフォーマンス面で引っ張って行きたいとコメントするだけあるなと感心していたら、1公演目最後に「高音を出すときでも優しく聴こえるように意識していた」とのコメントがあり、自分の感想と山﨑さんのコメントの整合性が取れた感覚になって勝手に納得しました。山﨑さんの歌はユニゾンの中からでも抜け出す鋭さがあり、本当に聴いてて心地良いです。近い将来はBEYOOOOONDSの中心どころかハロプロを引っ張って行く存在になれると思います。と言うかなって下さい。

Hello! Project 2020 Summer COVERS ~The Ballad~ @札幌文化芸術劇場hitaru B・C公演 感想

今回は夏のハロコン札幌公演の感想です。

 

メンバーがそれぞれソロでJ-POPを中心としたバラード曲のカバーを歌う今夏のハロコンは、ハロプロ全メンバーをA・B・Cの3チームに分けた3パターンで行われています。札幌ではB・Cチームによる公演が行われましたが、その中で特に印象的だったメンバーの感想を書いていきます。

 

 

歌唱順・歌唱楽曲

B公演

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C公演

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尚、歌唱順を決めるスクラッチの様子はこちらで公開されています。

B公演個別評

2. 北川莉央 / ありがとう (いきものがかかり)

2公演通してのMVPを決めるとしたら北川さんです。発表順2番目にしていきなりの衝撃で、とても去年加入したばかりとは思えない歌を聴かせてくれました。1番投手・大谷翔平が1回表の初球にホームランをかっ飛ばしたような衝撃です。

 

B公演の面白さの1つは、北川さん・伊勢さんの一般加入組の歌唱力の高さが確認出来ることにあります。ソロフェスも一応見たことは見たのですが、あれは映像ですからあくまで参考記録です。2人とも研修生を経験しておらず、特に北川さんはまだ単独ツアーは1度周ったのみ、しかもそのツアーも歌割はほぼなかったと記憶しています。そういう意味ではBEYOOOOONDSの研修生上がりのメンバーより余程経験値は少ない訳ですが、そんな経験値の少なさを補って余りある歌の才能があること見せつけてくれました。勿論、充実したパフォーマンスの影には北川さん自身の努力もあるとは思いますが。

 

実を言うと、北川さんの歌をまともに聴いたのは今回が初めてだったのですが、程よい声量で、尽く音が的確に出て来るので、聴いてて非常に心地が良いです。表面上は静かに見ていましたが、ハートは一気に熱くなり、感動し、「これだこれ!想定を大きく上回る意外な大発見を体感出来るのが現場の醍醐味だ!」と久しぶりの感覚を味わわせていただきました。

 

7. 稲場愛香 / 明日への扉 (I WISH)

地元札幌での公演ですから、相当気合入ってましたね。ただ、その十分な気合がパフォーマンスの固さに繋がっていた部分はあって、肩の力を抜いて歌うことが出来たらもっとパフォーマンスの完成度は充実させられたとは思いますし、私は見られていませんが稲場さんなら他の場所ではこの日よりもっと完成度の高いパフォーマンスを見せてくれていたはずです。

 

ですが、今回のハロコンはメンバーそれぞれが課題として与えられているであろう1曲に挑戦することで発せられる情熱や緊張感などのドラマが感じられることが最大の醍醐味であって、全国各地を周るツアーにおいて地元で気合が入り過ぎてパフォーマンスが固くなってしまった公演があったことは挑戦の過程で生まれるドラマ性を際立たせてくれます。今回の札幌公演は稲場さんにとって稲場愛香の『明日への扉』を完成形に近付けるための登竜門だった訳で、まさに今『明日への扉』を開こうとしているのです。稲場さんは今回の札幌公演を経て次回の福岡公演では稲場愛香流の『明日への扉』の完成形を見せてくれることでしょう。

 

13. 伊勢鈴蘭 / 三日月 (絢香)

伊勢さんに関しては、ハロコンに参加されていた皆さんからすこぶる好評でしたので、少し構えて見てしまった部分はありますが、そんなハードルを軽く超えてしまう充実のパフォーマンスを見せてくれました。

 

北川さんと同じく声量・音程ともに終始安定しており、これは皆さんがべた褒めするのも当然です。初日からこれだけの完成度だったのか分かりませんが、私の目には完璧に近い出来栄えだったように見えます。前日のブログで地元札幌のおすすめスポットを紹介するなど、地元公演に対する特別な意気込みも見せていたので、その気合を上手く自分のパフォーマンスの力に変えられたのでしょう。

 

北川さんと伊勢さんのポテンシャルは凄まじく、アップフロントはオーディションからダイヤの原石を発掘するのが上手いですね。流石に20年以上の歴史を重ねているだけあります。約5年前に上國料さんがアンジュルムに一般加入してから数年間はオーディションを開催しても該当者なしが続き、一般加入が滞っていましたが、ここに来て研修生からの昇格とオーディションを経ての一般加入をバランス良く組み合わせていますね。研修活動を通して下積みを経験した方が良い娘もいれば、早いうちに輝かしい景色を見せたり経験豊富な先輩たちの中で揉ませた方が良い娘もいるので、その娘の個性に合った判断を的確に下しているのでしょう。

 

17. 金澤朋子 / Jupiter (平原綾香)

今回のハロコンの醍醐味の1つは、高いハードルを課されている実力者が真正面がぶつかって行くことで生まれるドラマ性にあって、Bチームだと上國料さんや佐藤さん、高木さん、そして金澤さんです。

 

特に金澤さんが歌っている『Jupiter』は超が付くほどの難曲で、普段は余裕を感じさせるパフォーマンスをしている金澤さんがもがきながらこの難曲にぶつかって行く姿は新鮮に映りました。それでも流石の完成度の高さで、いくら歌の上手な娘が多いハロメンの中でも、これだけ幅の広い音域が要求される『Jupiter』をここまで歌いこなすことが出来るメンバーはそういないでしょう。流石ハロプロ屈指の歌姫です。

 

C公演個別評

1. 清野桃々姫 / 香水 (瑛人)

伊勢さんと同様に、事前情報で清野さんの評判も良かったので実際にお目にかかるのを楽しみにしていました。やはり噂に違わぬ歌の上手さで私の目には完璧な出来に見えました。普段のブログで日々「今日の目覚まし音」として様々な楽曲を紹介していたり、「お家でもびよんず学校」ではヒューマンビートボックスTalk Box を披露していたりと、音楽に対する知見や興味の幅も広いですし、元々持ち合わせている音楽の才能もあるでしょうが、若くしてここまでの高い音楽の技術を身に付けている最大の要因は不断の努力と言うべきでしょう。

 

清野さんに限らず、B・C公演を通して見てBEYOOOOONDS勢の強さが印象に残り、全く先輩たちに引けをとっていない完成度の高さを感じました。考えてみると、研修生から昇格したBEYOOOOONDSメンバーはかつて研修生時代の実力診断テストでBP賞或いは何かしらの賞を獲得してきた娘が多く、精鋭揃いと表現して差し支えないでしょう。そういう意味では今回のハロコンのようにソロでの1曲勝負の舞台に強いのも納得で、純粋にスキルが充実していることに加え、自分の出番までのメンタルコントロールが上手い点もあるかもしれません。

 

同じCチームの山﨑夢羽さんも相当歌が上手でしたし、個の力が強いBEYOOOOONDSではお互いに刺激を与えあう土壌があり、今後更なるスキルの相乗効果が見込まれますので、BEYOOOOONDSが今後どんな成長曲線を描くのか楽しみですね。

 

6. 工藤由愛 / さよなら 大好きな人 (花*花)

個人的に工藤由愛さんは北研初期メンの中で最もスキルが上達した娘だと思っていて、最初は声量こそ出ていましたが音程のブレが目立つことが多く、言ってみれば球の速いコントロールの悪い投手のようでした。それが2018年の夏、まだ名前のなかった現在のBEYOOOOONDSの面々をゲストに招いて行われた北研定期公演辺りから目に見えて声がコントロール出来るようになり、2019年の実力診断テスト直前の北研定期公演で見違えるような歌を聴かせてくれるようになったことを覚えています。

 

ソロ歌唱においては、2019年実力診断テストの『ROCKエロティック』の力強い歌が印象深い工藤さんですが、今回披露したしっとり聴かせるタイプの『さよなら 大好きな人』も楽曲の世界観を表現できていました。山﨑愛生さんも同様ですが、普段のキャラを封じて楽曲の世界観をガチンコでパフォーマンスする姿が最高に格好良かったですね。

 

やっぱり工藤さんや山﨑愛生さん、稲場さんがパフォーマンスする姿を見ると北研定期公演が恋しくなりますね。北研定期公演の魅力は濃いキャラによる緩いMCとガチンコのパフォーマンスのギャップです。これは研修生発表会の空気感とも少し違いますが、こればかりは実際に入ってみないと伝わりにくいかもしれません。

 

スキル怪物揃いのJ=Jに加入した工藤さんの魅力は更に増して行くことでしょう。その成長を楽しみに見させていただこうかと思います。

 

最後に

個人的に印象的だったメンバーについて書きましたが、本当に皆さんが素晴らしい歌を聴かせてくれました。それぞれが与えられた1曲に対して真摯に向き合い、挑戦する過程の中で生まれる情熱や緊張感が味わえるのが今回のハロコン最大の醍醐味だったなと実感しています。

 

個別には書きませんでしたが、上國料さんや佐藤さん、小田さんが新境地を開拓すべく難曲に真正面からぶつかって行く姿や、涙を浮かべてラストを務めた里吉さん、浅倉さんや岸本さんが全身を使って表現する本気度など、1人1人が1曲にかける想いが感じられる感動的で極上なショーでした。やっぱりハロプロは素晴らしい!

Hello! Project 研修生発表会2020 ~夏の公開実力診断テスト~ 感想

7月26日、「Hello! Project 研修生発表会2020 ~夏の公開実力診断テスト~」が生配信で行われました。画面越しにでも研修生たちがこのステージにかける熱い想いが感じられるガチンコのパフォーマンスのぶつかり合いは見応え十分ですね。今回はそんな研修生実力診断テストの個人的な感想です。

 

 発表順

歌唱順は今年も例年通り厳正なる抽選の末、決定した様です。その結果とそれぞれ披露する楽曲がこちら。6月末にハロプロ研修生北海道の西村風凛さんが「起立性調節障害」のためしばらくの間研修活動を休止することが発表されたため、北研からの参加は石栗奏美さん1人となり、参加者は全員で18名となりました。

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 個別評

1. 中山夏月姫 / 『涙の色』(℃-ute)

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赤いラテン調のドレスに黒のヒールの出で立ちはスタイルの良さを際立たせていましたね。声の立ち上がりがやや鈍い点や後半粗さが出てしまった点はありましたが、歌・ダンス・表現力など全体的な完成度が高く、去年までより格段に声が出ていました。

 

候補曲の中で最も出来の悪かった楽曲を選び、筋トレやプールで体力強化に努めたことが鈴木愛理さんからの「デビューした後が見えた」との高評価に繋がり、見事、鈴木愛理賞の獲得です。

2. 豫風瑠乃 / 『生まれたてのBaby Love』(Juice=Juice)

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相当歌が上手ですね。歌の素養はかなりのものを持っていそうです。声がひっくり返った所が数カ所あったと思いますが、これから場数を踏んで精度を上げていけば将来の歌姫になるのではないでしょうか。また、表情も柔らかく芸達者な一面も観せてくれました。ハロドリ。で涙をコントロール出来ることも既に示していますし、大物になりそうな予感です。

3. 橋田歩果 / 『One Summer Night~真夏の決心~』(カントリー・ガールズ)

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カントリーの楽曲を歌うことは最初から決めていたことも納得の行く抜群の選曲だったと思います。自分の声を最も活かす楽曲は何かと考えた場合の最適解なのではないかとこちらが感じるくらい嵌っていました。それ程自分の魅せ方を良く理解しているということです。これから先どれだけ表現の幅を広げられるかに注目です。

4. 植村葉純 / 『Missラブ探偵』(W)

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緊張からか途中で歌が崩れてしまいましたね。それまではしっかり歌えていただけに本人は悔しいでしょう。ですが、中学1年生にして既に大人っぽい顔立ちで、恐らく無意識であろう流し目も色っぽく、アイドルとして一級品の素材であることは間違いありません。今日のこのパフォーマンスが成長物語の起点となりますから、これから先一回りも二回りも成長したとき、また何かのタイミングでこの曲を歌って欲しいですね。

 

と言葉でこう言うのは簡単ですが、今回のパフォーマンスを起点として成長への糧とするのはなかなか難しいことです。ライバル視していた豫風瑠乃ちゃんは伸びのある歌声で爪跡を残しましたし、今回少々の遅れをとってしまった分を跳ね返すリバウンドメンタリティが求められますが、成長する上での登竜門でもありますから地道に練習を積んで行って欲しいですね。

 

あと今回の診断テストは円盤化されるそうですが、葉純ちゃんの歌声は編集せずにそのままにして欲しいです。

5. 米村姫良々 / 『奇跡の香りダンス。』(松浦亜弥)

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基本となる歌やダンスのリズムは勿論、表情作りやダンスの細かさまで流石の一言。本人曰く緊張していたらしいですが、観ている側は緊張による固さなど全く感じません。もはや、実力者であることが知られ過ぎていて実力の割に票数は伸びにくい境地に達しているのではないでしょうか。

 

むしろこの完成度の高さで何が足りないのかと考えたとき、米村さんには欲深さが欠けている、或いはそのように見えてしまう点は気になるところです。と考えたときに、本質的に欲深さがないのか、或いは、あるけど表現しないのか、が問題になりますが私の目には米村さんは自然体なのではなく、泥臭いところを見せるのは格好悪いからスマートな部分だけを見せているように映ります。勿論悪い考えではありませんし、実際そういう米村さんを評価している大人はいるはずです。

 

ただ、より多くの周囲の大人たちに評価されて出番を増やす・デビューするという意味では「私こんなこと出来ます、あんなこと頑張ってます」と前に出てくる娘の方が得ではないかと。

 

とは言っても結局は米村さんがどう考えているかですが、「私だって言動に出さないだけで欲はありますよ」ということであれば一考の余地はあるんじゃないでしょうか。物凄く高い要求ですが、米村さんは頭も良いですし、こちらの言いたいことを理解した上で答えを出してくれると思います。

6. 北原もも / 『都会っ子 純情 (2012神聖なるVer.)』(℃-ute)

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歌・ダンスの安定感、表現力など全てにおいて完成度が高く、楽曲を相当研究したのだろうと思わせる表情作りでステージ度胸もありそう。

 

上野まり子先生によると、「アスリート気質である彼女は練習のし過ぎで体を壊してしまいかねないので我々がストップかけている」くらいの努力家であるらしいです。実力診断初挑戦組の中で唯一の受賞である宮崎由加賞を獲得したのも納得のパフォーマンスでした。

7. 村越彩菜 / 『旅立ちの春が来た』(スマイレージ)

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12月の研修生発表会での『白いTOKYO』を観たときに歌が上手な娘だなと思っていましたが、そのときより声の立ち上がりが鋭く、迫力も出ていました。この曲は高音への切り替えが一つのポイントだと思いますが、多少のブレはありながらも聴いてて心地の良さを感じる完成度の高さでした。

 

また、小学6年生の時点で6年間習っていたというダンスも靭やかでしたし、チャームポイントである満点の笑顔だけでは表現し切れないこの曲を唄いきったことで表現の幅も広がったことでしょう。豫風瑠乃さんと同じく伸びやかな歌声が印象的で、初挑戦組の中で最も大器の片鱗を感じたうちの1人でした。今後の成長を楽しみにしています。

8. 西﨑美空 / 『スッペシャル ジェネレ~ション』(Berryz工房)

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初挑戦組の中で平山遊季さんと並んで既にビジュアルが仕上っていますね。ハロドリ。でコメントを求められたときなど事ある度に自分の課題として表情の固さを挙げていて、私も実際9月12月の発表会で観たときに整った顔立ちでありながら表情の作り方は今後の課題かなと思っていました。

 

本人が苦手と自覚しているだけあって相当練習したのでしょう、12月の発表会のときと比べて自然な表情作りが出来ていたと思います。今後、表情作りに対する苦手意識がなくなってくれば、格段に表現の幅が広がるはずなので基本的なリズム練習と並行して表情作りの研究も継続して行って欲しいですね。

 

パフォーマンス後のコメントで明らかになりましたが、シルバーをあしらって歌詞に出てくるチャラチャラを再現したという衣装も端正な顔立ちやスタイルの良さを際立たせており、ステージパフォーマーとしての華も感じます。

 

それでもあえて期待を込めて言うとすれば、歌は基本的に安定していましたがサビにかけての盛り上がり、強弱の強の部分を表現出来るようになって来れば更に魅力的なパフォーマンスが出来るようになると思います。今後が楽しみな研修生の1人で、大満足で1票を投じさせていただきました。

9. 小野田華凜 / 『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』(Juice=Juice)

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披露する楽曲が発表されたときに小野田さんにこの曲は年齢的にまだ早いんじゃないかと思ってました。それだけに、出だしのワンフレーズの上手さは衝撃的でした。残念ながら途中で体力が尽きてしまいましたが、もしあのままワンコーラス歌いきったらBP賞だったかもと思えるくらいです。

 

タップダンス経験者ということで元々リズム感が良い上に、今回歌唱力も数段向上したところを見せてくれましたので近い将来が楽しみな娘がまた一人増えました。というか、現中1世代に大物が揃い過ぎです(笑)。

 

体力強化が自分の課題だという自覚があるようで、毎日腹筋50回を目標にしていたと。でも本当に眠い日は3回だけだったけど頑張りましたと言ってしまうところが天性の愛され力ですね。

10. 窪田七海 / 『私の魅力に 気付かない鈍感な人』(モーニング娘。)

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ある意味、今回の実力診断テストは窪田さんの優勝だったのではないかと思っています。それはBP賞だった石栗さんは実力者であることが既に知られていたのに対して、窪田さんはどこか過小評価されがちな面があったのですが(私も含めてですごめんなさい)、今回誰の目にも明らかな程パフォーマンス力が向上し、歌唱賞を獲得したことで泊が付いたことは大きいです。

 

米村さんの項で欲深さが足りないと偉そうに言ってしまいましたが、その米村さんの対極の位置にいるのが窪田さんだと思っています。「デビューしたい・目立ちたい・人気が欲しい」そんな欲が見えます。そういうアイドル性に長けているのが窪田さんの魅力なのです。今回は窪田さんが本来持っている良い意味での欲深さと楽曲や衣装全てがバッチリ調和した結果です。

 

パフォーマンス面では、とにかく可愛さを貫き通したことの勝利です。楽曲とピンクのフリフリの衣装、そして何より窪田さんがこの可愛い曲を楽しそうに歌っていたことが響きました。細かい音程のブレなどあったかもしれませんが、そんな細かいミスを凌駕してしまう魅了的なパフォーマンスでした。

11. 平山遊季 / 『Come with me』(こぶしファクトリー)

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平山さんは普段から研修生を見ている人とそうでない日とそうでない人とで見方が大きく変わってしまう立ち位置にいると思います。12月の発表会では新人の中で最も多い歌割りが与えられ、ハロドリ。では多くの研修生たちからライバル視されている様子が垣間見えます。なので普段から研修生を見ている人は高い期待値で見てしまう反面、普段あまり研修生を見ていない人たちには新人離れしている大人びたルックスと実力が深く刺さる状況にあります。

 

私は期待値高めで見てしまった方です。上手いのだけど何か刺さるものがないというか、これくらいは12月の発表会のとき既に出来ていた印象が先行してしまったんですよね。それでも歌やダンスが上手く、中学生離れしたルックスであることは間違いないのでかなりの票数は集めたと思われます。個人的には早めに娘。やJuiceに入って揉まれるところが見たいです。

12. 斉藤円香 / 『今夜だけ浮かれたかった』(つばきファクトリー)

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予定に入れていたダンスを飛ばしてしまったらしいですが、それは見ているこちら側としては分からない部分ですし、パフォーマンスを見ていてやらかした感もありませんでした。ですが、斉藤さん本人や指導する先生たちの立場としては見過ごすわけにはいかないでしょう。まつばちまき先生からは日頃の行いの散漫さがこういう緊張する場面で出るのだと厳しめに指摘されていましたね。私は他の娘と比べて特に斉藤さんがだらしない性格だという印象は持っていませんが、日頃の言動を見ている指導者がそう言うのだから何か欠けている部分があるのでしょう。

 

何れにしても厳し目のコメントを貰う娘は実力を評価されていることの裏返しでもあるので、自省すべきところがあれば自省した上で、厳しめのコメントをされたこと自体には自信を持って良いと思います。

 

パフォーマンス自体はダンスもしっかり踊って歌も基本的に安定し総合的に優れたパフォーマンスだったと思いますが、あえて言うなら、この曲が持っているライブ映えするようなサビにかけての爆発力がもっと欲しかったなと感じました。今回の実力診断テストで結果を残した窪田さんは食生活の改善をしたと言っていたり、日頃の生活から自分を見つめ直した人が評価されている側面があるので、その部分で自分はどうだったのかと見つめ直しても良いかもしれません。

13. 江端妃咲 / 『21時までのシンデレラ』(Berryz工房)

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配信トラブルにより2回パフォーマンスすることになった江端さん。パフォーマンスを終えて泣いてしまった後「もう1回演って」と言われた江端さんの心の内は分かりませんが、鈴木愛理さんも言ってたように、泣いた後にすぐ歌わなければいけない場面も今後あるという意味では貴重な経験を積むことが出来ました。

 

私も例に漏れず1回目のパフォーマンスは見られなかったので2回目の感想になりますが、程良い声量で聴いてて心地の良い歌だったと思います。12月の発表会のときはもっと弱々しい歌声だったと記憶していますので、成長度合いという意味では最も魅力的に映った1人です。まこと氏が「無邪気なパフォーマンスに心が洗われた」というようなコメントをしていたと思いますが、私も全く同感です。

14. 為永幸音 / 『抱いてよ! PLEASE GO ON』(後藤真希)

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去年は凝った演出を観せてくれたものの、その演出の完成度に歌唱力が追いついていなかった印象の為永さん。今年は去年とは打って変わって純粋に唄とダンスで勝負しに来ました。

 

歌唱はエッジが効いており全体的に安定、ラスサビにかけて強度を高め盛り上がりも演出し完璧に近い出来栄えだったと思います。黒を基調とした露出が多めな衣装にピンヒールを履いた姿やパフォーマンス中に観せた楽曲の主人公が憑依したような鋭い目つきから、終わった後の「ありがとうございました」の言い方の変化は普段の優しい雰囲気とのギャップも感じさせてくれました。

 

他の娘と比べて為永さんが一段上の次元にいるなの感じるのは、激しいダンスをしながら歌唱に強弱を付けてブレずに安定してワンコーラス唄い切る体力と技術の高さです。これが出来ていたのは為永さんとBP賞を取った石栗さんの2人だけだったと思います。リアルタイムで見ていたときは正直「これ優勝だわ」と思いました。もう少女から大人への脱皮が進んでいるので、昇格した後の姿が早く観たいです。

15. 松原ユリヤ / 『赤いイヤホン』(アンジュルム)

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2年前は「簡単だった」、去年は「難しかった」と発言してインパクトを残してきた松原さん。今年はパフォーマンスの最後にやってくれました。普通に歌って踊ったなと思っていたら何やら赤い紙テープみたいなものを放り投げました。上野まり子先生じゃありませんが「もう優勝です(笑)」と言うしかないでしょう。

 

ただ、キャラクター先行の松原さんではありますが、実のところ、完全な子ども歌唱ではありながらも歌の安定感はあると思うんです。これから先、年齢を重ねて子ども歌唱から脱皮して表現力の幅が広がって来たらどうなるのか将来が楽しみですね。

16. 山田苺 / 『SHALL WE LOVE?』(ごまっとう)

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松浦・後藤・藤本とオリメンの3人があまりに強烈な難曲です。まさに自分への挑戦でしたね。半端な出来では完全に原曲負けしてしまう曲ですが、この日の山田さんは決して原曲に負けていなかったと言える完成度の高いパフォーマンスを見せてくれました。去年までより楽曲の難易度を上げ、その上で完成度は過去最高だったことが特筆すべき点で、特に歌で高音の切り替えが自然に出来ていて安定感が増していました。上野まり子先生もコメントしていた通り殻を破りましたね。

 

ただ、今回の実力診断テストはベテラン勢が軒並み受賞している中、山田さんだけ受賞していないのが引っかかるんですよね。今回は2位以下の得票数は公表されていませんが、山田さんのパフォーマンスの完成度から推測するにある程度票数は集めたはずなので、票数を公表するにしろしないにしろ、「貴方はこれだけ票数集めたのだから自信持ってね」と声をかけてあげて欲しいです。

 

普段の研修生発表会ではライブ番長感もあるくらいの存在感を個人的には感じていて、アイドル性抜群のキャラクターの強さもありますし、早くデビューした後の姿が見たい娘の1人です。受賞こそしませんでしたが、今回のパフォーマンスには自信を持って下さい!

17. 石栗奏美 / 『リゾナント ブルー』(モーニング娘。)

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米村さんに次ぐ研修期間、実力診断テストにおける2年連続の受賞歴や研修生ユニットへの選抜など、研修生としての実績は十分な石栗さん。終わってみれば順当なBP賞でしたね。今回も歌・ダンス・表現力など総合的に完成度の高いパフォーマンスを見せてくれました。特に歌に力強さが増した印象です。

 

同じ北研の太田遥香さん・山﨑愛生さん・工藤由愛さんに昇格という意味では先を越されてしまいましたが、こちらの3人は実力診断テストにおける受賞歴のある人こそ居れど、BP賞を獲った人はいません(ましてや太田さんは受賞歴自体ありません)。石栗さん本人の心の内は分かりませんが「私だって実力診断テストで結果だしたのに...」と思ってもおかしくない状況に置かれていましたが、もう負い目を感じる必要はありません。だって優勝したことあるのは貴方だけですから、今回のBP賞は大いに自信にして下さい。

 

ただもう一方の視点もありまして、普段の研修生発表会や北研定期公演を見ている人たちの目には良くも悪くも「石栗さんならこれくらい出来るだろう」という予想の範囲内に収まったパフォーマンスだったようにも見えるんですよね(一応自分もこの発表会を見ている人たちに入れさせて下さい)。そういう意味でパフォーマンスの充実度の割には票数は伸びないかなとも思いましたが、蓋を開けてみれば約4分の1もの票数を集めたのですね。

 

為永さんの項でも書きましたが、ダンスと歌を高い次元で両立させていたという意味では為永さんと石栗さんの2人が抜けていたと思いますので、個人的にも納得のBP賞です。おめでとうございます。優勝旗が津軽海峡を越えましたね!(言いたいだけ)

18. 広本瑠璃 / 『タチアガール』(スマイレージ)

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勿体ないなぁというのが率直な感想です。と言うのは選曲についてです(オタクが選曲に口出ししたら怒られる?)。みつばちまき先生に選曲理由を聞かれて「落ち込んだときにこの曲を聴いて元気が出たので、私が歌うこの曲を聴いてもらって元気を与えたかった」と言っており、それは一定の理解は出来るのですが、それが実力診断テストという競争の場において相応しい選曲かどうかはまた別の話です。もし、広本さんがこのステージを楽しむことが出来ればそれで良い、票数や受賞に繋がらなかったとしても後悔はないと言うのであれば何も言うことはありませんが、本番を終えて今の率直な感想を聞いてみたいですね。

 

そうではなく、広本さんがこの実力診断テストで票数を集めたり賞を受賞したいと思っているのであれば「ワンコーラスたった2分弱の時間で自分が最も輝く選曲は何か」に主眼を置いて、出し惜しみせず自分の強みで勝負するべきで、その上で自分の好きな曲なら尚良いよねという順序になるはずなんです。要するに実力診断テストで結果を出すことを目的とするのであれば自分の好き嫌いは本来関係ありません。

 

9月の研修生発表会で広本さんが通路降臨で私の近くに来て踊っていた姿を間近で見たことがあるのですが、ダンスが相当上手です。広本さんが持っているスキルを活かして魅力的なパフォーマンスを演出するという意味ではダンスで勝負して欲しかったと個人的には思います。ソロフェスで秋山眞緒さんが『Midnight Temptation』を自分で考えた振り付けで披露していましたが、広本さんならそういう演出も十分出来ると思うんです。以上、説教おじさんの戯言でした。

受賞者

〇ベストパフォーマンス賞
石栗奏美(北海道)『リゾナント ブルー

〇歌唱賞
窪田七海『私の魅力に 気付かない鈍感な人』

〇ダンス賞
為永幸音『抱いてよ! PLEASE GO ON』

〇まこと賞
小野田華凜『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』

鈴木愛理
中山夏月姫涙の色

勝田里奈
松原ユリヤ『赤いイヤホン』

宮崎由加
北原もも『都会っ子 純情 (2012神聖なるVer.)』

 

「Hello! Project 研修生発表会2020 ~夏の公開実力診断テスト~」結果発表! より引用

 

最後に

ベテラン・中堅勢の意地と新人勢の個性がぶつかり合うハイレベルな争いでした。最後はベテラン・中堅勢の意地が勝りましたが、緊張感溢れるガチンコのパフォーマンスのぶつかり合いは堪らないですね。好き放題書かせていただきましたが、良いドラマを見せてくれた全研修生に感謝しています。

 

さて、実力診断テストは各オタクがオタクとしての自分のポリシーを表現する場でもあると思っていて、その日のステージングを見てガチンコ投票する人もいれば、自分のお眼鏡の娘に投票する人もいるでしょう。私は余程酷いパフォーマンスでない限りは好きな娘に投票する派です。それは真剣勝負の場としてレギュレーションが整っていない点が目に付くことや、この実力診断テストで票を集めた娘はデビューして行く近年の流れがあり、自分の好きな娘にはその切符を掴んで欲しいと思っているからです。

 

要は仮に自分のお眼鏡の娘が夢半ばで研修活動を辞めてしまった場合にどう思うかです。途中で辞めてしまう娘はそれまでの娘だったと受け止める人はガチンコ投票に徹するでしょうし、私のように結果こそが大事だと考える人は好きな娘に投票するでしょう。という訳で私は文句なしで西﨑美空ちゃんに投票しました。

 

あと、審査員の方についてですが、今年のみつばちまき先生はパフォーマンス後にコメントを求められたとき審査員としての感想や意見でなく、選曲理由を聞くなど質問に徹する場面が多かったですね。自分の感想や意見が良くも悪くも投票結果を左右してしまうことを懸念してのことだったのかもしれませんが、見てるこちらとしては審査員の立場としての私見が聞きたいのですが、審査の公平性とのバランスが難しいのでしょうか。

羽賀朱音バースデーイベント2020@LANDMARK HALL 感想

7月31日、約4ヶ月遅れで開催となった羽賀朱音さん18歳のバースデーイベントに行ってきましたので、その感想を書いていきます。わざわざ北海道から行って良かったと思える大満足のイベントでした。羽賀朱音さん、最高です!優勝です!

 

 

概要・MC

私が羽賀さんのバースデーイベントに行くようになったのは2018年16歳のときが最初だったのですが、そのときはまだ緊張による固さがあったと記憶しています。それが去年のバースデーイベントでは緊張による固さはほぼ感じず地に足のついたパフォーマンスを見せてくれました。今年はダンスを控えめにした反面、歌唱力1点で勝負しに行った印象が強く、それだけに完成度の高い魅力的な歌を聴かせてくれました。

 MC部分は司会の鈴木啓太さんがブログで詳細なレポをしてくれていますので、そちらを参照していただきましょう。

 

羽賀朱音BDイベント | 上々軍団 鈴木啓太オフィシャルブログ「1日1レモンティー」Powered by Ameba

 

MC部分で私からは2点だけ。羽賀さんが世代的に知らないであろう過去の流行語を羽賀さんが勘で説明するコーナーがあり、そのお題の1つに『オバタリアン』があったのですが、そこで羽賀さんが「オバサンが作るイタリアン」と説明したのは笑わせていただきました。いやまぁ確かにしっくり来るネーミングではありますけども。

 

もう1点はオタクからの質問コーナーで「ブログで上手い文章を書くにはどうすれば良いか」との質問に対して「です・ます・でした」といった同じ文末の言葉を続けない、と答えたのは納得させられました。文章を書く上での基本をしっかり抑えているのですから、羽賀さんのブログが読みやすい心地の良い文章であることも必然でしたね。

 

では1曲ごとの感想に行きます。

セットリスト

1. The Visionモーニング娘。'16

正直なところ、この曲は詞が聴いてて気持ちが沈みがちになって個人的に苦手なのですが、私がこの曲に持ってるイメージとは違う方向の魅せ方をしてくれたおかげで苦手意識が少し軽くなりました。その意味でも羽賀さんに感謝しています。特に1公演目は前方席から見たので良く分かったのですが、羽賀さんは重い雰囲気のこの曲の中にニコニコ笑顔を結構な割合で入れてパフォーマンスしていたんですよね。こんなに笑顔を入れながら歌う曲だったかな?と一瞬思いましたが、逆に笑顔のおかげで個人的に感じていた重々しい雰囲気が軽減されたので、私はこの方面のパフォーマンスの方が好きですね。

2. ナルシス カマってちゃん協奏曲第5番 / モーニング娘。'17

「もっと見つめて...」。セリフ巧者の力をこれでもかと発揮してくれました。私が見てきた中だけでも2018年の『もしも…』、2019年の『I Need You ~夜空の観覧車~』とセリフが印象的な曲は入って来てますね。セトリを決める上でセリフ枠とかあるんでしょうか?でも、去年の夜空の観覧車は小片リサさんに決めてもらったと言ってましたね。まぁ何れにしても、自分の強みを把握して積極的に見せていく姿勢は好感が持てます。

 

あとこの曲は、最後の最後でピアノを強く叩いたような「ガーン」という音のときに体を倒して伸ばした腕を操り人形のように動かす振り付けがあるのですが、ここの動きが格好良くて私の記憶に深く刻まれました。1公演目のバースデーメーッセージが小林萌花さんから寄せられましたし、いつかピアノ演奏・小林さん、歌・羽賀さんでまたいつかこの曲を披露して欲しいものです。

3.  あの日に戻りたい / 高橋愛新垣里沙

ベスト歌唱はこの曲ですね。もう、悲しみに暮れる主人公が憑依しているように見えましたよ。途中で傘さしだすんじゃないと思えるくらいに入り込んでいました。

 

私は「この曲を歌うとは、今回の羽賀さん勇気ある選曲をしたな」と思っていて、この曲の愛ガキや『愛の炎』の田中れいなさんのように、原曲の歌い手が上手で「この人と言えばこの曲!」みたいなイメージが強い曲の場合、否が応でも原曲と比較されてしまう訳でカバーするときのハードルは高いと思うのですが、今回の羽賀さんは決して愛ガキに負けていない完成度だったと思います。

 

今回のバーイベに歌で勝負しに行った印象を強めたのは間違いなくこの曲の完成度の高さが主な要因でしょう。1公演目のこの曲が終わった瞬間「優勝だ!」と思いました(意味不明)。

4. 風に吹かれて / Juice=Juice

 『風に吹かれて』は勿体ない曲だなと思っていて、楽曲を音源で聴く分には良い曲だと思うのですが、これを映像や実際に現場で見たりするとダンスに違和感があり過ぎて楽曲の良さが楽しめなくなってしまうんですよね。

 

今回、この曲のイントロがかかった瞬間、今回は苦手な曲が多いなと思ってしまったのですが、今回羽賀さんが歌で勝負しに行ってダンスを控え目にしていたのが幸いして、見ていて引っかかるような振り付けがなく、この楽曲が本来持っている良さが体感出来ました。この曲は変にバキバキ踊らず歌を聴かせることに集中したアプローチの方が好きですね。『The Vision』に続いて私の個人的な苦手意識を軽くしてもらい大変感謝しております。

5. The 摩天楼ショーモーニング娘。

昨今の情勢により、イベント中は立って踊ったり声を出したりは一切出来なかったのですが、『風に吹かれて』までダンスは抑えめで来ていたこともあり、その不便さはそう感じていませんでした。ところが、この『The 摩天楼ショー』はバリバリ踊る曲で実際羽賀さんもこの曲のときは比較的踊っていましたし、マネもしやすい振り付けも多いので自分の動きを堪えるのが大変でした。

 

あと、この曲のときは羽賀さんの原曲に対する深いリスペクトを垣間見ることが出来ました。羽賀さんはこの曲のオリジナルメンバーではありませんが、コンサートなどでは何度もパフォーマンスしているだけあって、パート毎にオリジナルメンバーそっくりな歌い方になっていたんですよね。「あ、ここのパートは鞘師だ、ここはれいなだ」と見ていて分かってしまうのが面白かったです。

6. 私は私なんだ / モーニング娘。'14

歌うかどうか直前まで迷っていたという『私は私なんだ』。イベント前日のブログによると、3月にやる予定だったときからずっと悩んでいたそうで、構成も3月のときから全く変えていないそうです。なぜ歌うかどうか悩んでいたのか詳細は明かされませんでしたが、この曲は歌わない方が良いと考えてしまうような何らかの事象があって、でも去年の時点で6曲歌っていますから、それを今年5曲に減らすのは避けたいとの考えが重なってしまったのかもしれません。

 

何れにしても、実際にパフォーマンスを見たらそんな細かいことはどうでも良いと思えました。2公演目でこの曲を歌っている姿を見て思ったのですが、去年までより歌う体力も付きましたね。2公演目の終盤になって来るとパワーダウンしてしまうのが去年までのパターンだったのですが、今年はそんなことは全く感じませんでした。娘。加入から丸5年を越え、コンサートのソロパートも年々増えて来ているのが大きいのでしょう。流石体力おばけ集団の一員なだけあります。

 

最後に

とにかく今年は歌の成長度合いが確認出来る内容でした。歌唱力が大きく向上していたことが確認出来て大満足であったことは間違いありませんが、あえて更なるパフォーマンスの向上を図るという意味では、ダンスと歌の両立は挙げられるかもしれません。今回、歌に集中するためだと思いますがダンスは抑え目でした。それを今回見せてくれたような高い次元の歌をバキバキと激しいダンスを踊りながら歌えたら、いよいよ一流のパフォーマーの仲間入りと言って良いのではないでしょうか。

 

羽賀さんは今回で5回目のバーイベでしたが、年齢はまだ18歳です。まだまだ先は長く更に輝きを増して行けるはずなので、次回以降どんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみにしています。